球海綿体反射を用いた横紋筋性尿道括約筋の筋電図学的研究

書誌事項

タイトル別名
  • ELECTROMYOGRAPHIC STUDY OF THE STRIATED URETHRAL SPHINCTER BY USING THE BULBOCAVERNOSUS REFLEX
  • STUDY OF THE NORMAL VOLUNTARY VOIDING AND THE INVOLUNTARY SPHINCTER RELAXATION
  • 正常随意排尿と不随意括約筋弛緩の検討

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説明

(目的) 球海綿体反射の誘発電位反応 (BCR-EP: evoked potential of bulbocavernosus renex) を用いて, 尿排出時 (横絞筋性尿道括約筋の弛緩時) の仙髄反射活性の検討を試みた.<br>(対象と方法) 正常男性17例を対象にして, 膀胱空虚時と随意排尿時のそれぞれに, 陰茎背神経を電気刺激し, 尿道周囲横絞筋から導出したBCR-EPを測定した. つぎに, 不随意の括約筋弛緩 (IVSR: involuntary sphincter relaxation) を伴う神経因性膀胱男性3例について, IVSRによる尿失禁時と排尿意図下の尿排出時にBCR-EPを測定し, 随意と不随意の括約筋弛緩時の仙髄反射活性の違いについて検討した.<br>(結果) 正常例では膀胱空虚時に安定したBCR-EPを認め, 随意排尿時に消失した. しかし, 随意排尿時でも刺激を増大するとBCR-EPが出現した. 神経因性膀胱例では, IVSR時に明瞭なBCR-EPが認められたが, 膀胱空虚時に比して振幅が若干減少していた. 排尿意図下では, 振幅が更に減少していた.<br>(結語) 正常症例では排尿時にBCR-EPは相対的に抑制された状態にある. IVSR例ではIVSR時のBCR-EPの抑制は不完全で, 排尿意図下にはIVRS時に比し明らかに抑制された. 以上より, 排尿時のBCR-EPにより正常随意排尿が確認でき, 病的括約筋弛緩との客観的鑑別の可能性が示唆された.

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