汎発性腹膜炎後の完全尿管閉塞に対し内視鏡的治療を行った1例

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  • ENDOSCOPIC URETEROURETEROSTOMY FOR A COMPLETE OBSTRUCTED URETER: A CASE REPORT

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抄録

症例は66歳男性. 1995年10月, S状結腸憩室炎の穿孔による汎発性腹膜炎に対し開腹手術を受けた. 術後約1ヵ月目に尿瘻, 糞瘻および左水腎症が出現し, 左経皮的腎瘻造設術および人工肛門造設術が行われた. 画像診断にて左下部尿管に約1cmの断裂部が認められたため, 1996年7月18日, 内視鏡的再開通術を試みた. 順行性に挿入した尿管鏡の光を目標に, 逆行性に尿管鏡用生検鉗子で閉塞部組織を切除して行き, ガイドワイヤーを通過せしめた. 経尿道的再開通部切開術が不充分であったため, 9月26日, KTP第レーザーを用い充分な長さの尿管全層を切開することが出来た. 術後2年経過した現在, ステントフリーで再狭窄は見られず順調に経過している. 完全尿管閉塞に対する“cut-to-the-light-technique”および再開通部のKTPレーザーによる切開術は, 侵襲が少なく有用な術式であると考えられた.

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