クッシング症候群術後ステロイド補充療法の実際

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  • A SURVEY ON POSTOPERATIVE STEROID REPLACEMENT IN 40 PATIENTS WITH CUSHING'S SYNDROME
  • 40症例による臨床的検討

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1960年より1990年までに東京大学医学部泌尿器科学教室において, 副腎腺腫によるクッシング症候群に対して副腎摘除術を受けた40例について臨床統計を行うと共に, ステロイド補充療法の追跡調査を行った. 性別は, 男性8例, 女性32例と女性に多く, 年齢は2~59歳 (平均35.7歳) であった. 手術は経腹腔式8例, 経腰式24例, 経背面式8例で, 経腹腔式は主に局在診断が確実でない1970年以前に施行されていた. 摘出標本は単発38例, 多発2例で, 平均腫瘍長径は3.4cmであった. ステロイド補充療法については30例で追跡可能で, そのうち明確に離脱期間の確認できたのは20例であった. その投与期間は3ヵ月~7年3ヵ月 (平均1年8ヵ月) であり, 年代別には1970年代の平均3年1ヵ月に対して, 1980年代は平均9.5ヵ月と著しく短縮していた. 術直後のステロイド投与量を術当日及び術後3週間目でみると術当日では1970年代は平均517.5mg/日, 最近の5年間は平均187.5mg/日, 術後3週後にはそれぞれ平均43.1mg/日, 18.4mg/日であり投与量も有意に減少していた. しかし, 最近の5年間の6例でも術直後しばらくの間の base excess, 血清Naの上昇, 血清Kの低下が認められステロイド過剰の状態が示唆された. 以上, クッシング症候群における術後ステロイド補充療法は投与量の減量により早期離脱が計られてきた. しかし, 術後早期からの減量によりさらに早期の離脱が可能ではないかと考えられた.

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