前立腺癌の早期診断における検診の意義

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  • THE SIGNIFICANCE OF EARLY DETECTION FOR PROSTATE CANCER IN MASS SCREENING

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(目的) 1995年より3年間, 三鷹市で前立腺癌検診を施行し, 検診の結果を外来受診で前立腺癌と診断された症例と比較した. また前立腺癌検診におけるfree-PSAの前立腺癌スクリーニング上の有用性についても検討した.<br>(対象および方法) 50歳以上の男性を対象とし, 一次検診として, International prostate symptom score・Quality of life score の記入, Tandem-Rによる Prostate specific antigen (PSA) の測定, および直腸指診を行った. PSAが4.1ng/ml 以上もしくは直腸指診で異常を認めた場合を二次検診該当者とした. 二次検診として free PSA (Tandem-R) の測定, 経直腸超音波ガイド下に6ヵ所前立腺針生検を施行した.<br>(結果) 1,375名の受診者の内320名 (320/1,375; 23.2%) が二次検診の対象となった. その内199名 (199/320; 62.1%) に前立腺生検を施行し21名に前立腺癌を認めた (21/1,375; 1.5%). 同時期に外来受診で前立腺癌と診断された症例 (n=141) との臨床病期の比較では, 有意差をもって検診受診者が早期に診断されていた (p=0.0047). ROC曲線から求めた free-PSA ratio の境界値12%をPSA 4.1ng/ml以上と併用すると Positive predictive value は18%から50%に上昇した.<br>(結語) 前立腺癌患者は検診によって外来患者よりも早期の病期で診断され, また, PSAと free-PSAとを併用することで, 検診効率を上げられることが示唆された.

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