恥骨合併切除根治手術をおこなった原発性男子後部尿道癌の1例

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タイトル別名
  • RADICAL SURGERY WITH PUBECTOMY FOR PRIMARY MALE POSTERIOR URETHRAL CANCER
  • A Case Report

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症例は38歳男性で, 尿閉と発熱を主訴として当科受診した. 既往歴として, 1歳頃ポリオに罹患し初診時3歳程度の知能しかなく, 歩行可能なものの高度な脊椎, 胸郭, 手指の変形を認めた. 入院後ただちに局麻下に膀胱瘻造設すると, 悪臭を伴った著明な混濁尿が約600ml排出定れた. 抗生剤投与にもかかわらず, 38℃以上の発熱が約10日間つづき, その後も15,000/mm3以上の白血球増多がつづいた. 尿道造影では, 前部尿道に狭窄, 球部から膜様部尿道にかけて辺縁不整な充盈欠損像を認めた. ガイドワイヤーと尿道ダイレーターを用い尿道拡張し, 18Fr先穴腎盂バルーンカテーテルを留置した. 2週間後の尿道造影でも充盈欠損像に変化を認めなかった. 尿道分泌物, 尿の細胞診で両老とも Class V, 内視鏡で球部尿道から尿道内は腫瘍で充満しており, その部の生検病理組織でTCC G3の診断であった. 遠隔転移のないことを確認した後, 全麻下に恥骨合併切除, 膀胱前立腺尿道陰茎全摘, 骨盤リンパ節郭清, 回腸導管造設術を施行した. 摘出標本で腫瘍は球部尿道から前立腺部尿道にかけて存在し, TCC G3>SCC, Stage Bであった. 膜様部尿道では, 漿膜下ぎりぎりまで癌の浸潤あり, 恥骨合併切除しなければ完全摘除は困難であったと考えられた.

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