尿膜管癌15例の臨床的検討

書誌事項

タイトル別名
  • CARCINOMA OF URACHUS: REPORT OF 15 CASES AND REVIEW OF LITERATURE
  • IS TOTAL CYSTECTOMY THE TREATMENT OF CHOICE FOR URACHAL CARCINOMA?
  • 根治のために膀胱全摘除術は必須か

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説明

(目的) 尿膜管癌の自験例ならびに本邦報告例における stage, 術式, 予後との関連を検討することにより, 根治性と患者のQOLを維持するうえで最も適切な術式を明らかにすることを目的とした.<br>(対象と方法) 過去14年間に経験した尿膜管癌15例を対象とした. 各症例の臨床像を明らかにするとともに, stage, 術式, 予後との関連を検討した. さらに, 最近20年間に本邦で報告された尿膜管癌症例の各術式における stage と転帰との関連を検討した.<br>(結果) 15例の stage はすべてIIIA以上で, 予後は現時点で9例 (60%) が癌なし生存しており, 平均生存期間は7年であった. これらは全例 stage IIIAであり, 術式は膀胱全摘除術3例, en bloc segmental resection (以下 en bloc) 6例であった. 再発または癌死した症例は5例で, stage はIIIAが2例, IIIDが3例であり, 術式は en bloc 1例, 膀胱部分切除術3例, 試験開腹1例であった.<br>本邦報告例の検討では, 膀胱部分切除術のみが行われた症例は予後が不良であったのに対し, en bloc または膀胱全摘除術が行われた症例は, stage がIIIAまでであれば88~100%が2年以上癌なし生存していた. その一方で, stage IIIC以上の症例に関してはどの術式を施行しても予後は極めて不良であった.<br>(結論) 尿膜管癌症例に対する術式は en bloc が最も妥当であり, 膀胱全摘除術の適応は一部の症例にとどまるものと思われる.

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参考文献 (28)*注記

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