膀胱拡大術後に出産した二分脊椎症例の1例

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タイトル別名
  • PREGNANCY AFTER AUGMENTATION CYSTOPLASTY
  • A Case Report

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抄録

症例は31歳女性. 潜在性二分脊椎症にともなう神経因性膀胱に対し回腸による膀胱拡大術を施行し術後1年で妊娠した. 妊娠中の総腎機能は安定していたが難治性の尿路感染の対応に苦慮した. 妊娠中期より上部尿路閉塞の進行が生じ妊娠25週で腎盂炎を併発した. 上部尿路のドレナージを目的としてdouble-J型の尿管ステントを留置したが, 長期的に効果が不十分であり感染を遷延させた. 胎児仮死の危惧が生じたため妊娠32週で待期的帝王切開術を施行. 開腹所見では子宮前面に拡大膀胱の腸間膜が幅広く癒着しており, 剥離後に体部切開を行った. 消化管を利用した膀胱拡大術後の妊娠では尿路感染の頻度は極めて高い. 最重要事項は妊娠早期からの予防的抗菌剤投与である. 帝王切開時には再建を施行した泌尿器科医も参加し拡大膀胱の血行に最大限の注意を払う必要がある.

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