非閉塞性無精子症に対するTESE (Testicular sperm extraction)-ICSI (Intracytoplasmic sperm injection) の予測因子の検討
書誌事項
- タイトル別名
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- PREDICTIVE FACTOR FOR TESE (Testicular sperm extraction)-ICSI (Intracytoplasmic sperm injection) FOR NON-OBSTRUCTIVE AZOOSPERMIA
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説明
(目的) TESE-ICSIは非閉塞性無精子症に対して広く用いられてきたが, その適応については今だ議論の残るところである. 今回われわれは精子回収の可否, ICSIの結果などについてそれを予見する術前のパラメータがないか, 後向き検討を行った.<br>(対象と方法) 1997年7月から1999年9月まで大阪大学医学部泌尿器科およびその関連施設でTESE-ICSIを施行した非閉塞性無精子症の症例, 44例においてその臨床的パラメーターとTESE, ICSIの結果との相関を調査した.<br>(結果) 1) 44例中32例 (72.7%) で精子の回収に成功し, うち29例でICSIを施行, 15例 (46.9%) で妊娠が成立した. 10例は Sertoli-cell-only の組織型が確認されていたが, うち3例 (30%) で不動精子が回収された. 2) 精巣容量, JSC, FSHが精子回収の可否を有意に予測するパラメーターであったが, 閉塞性の要因の関与も考えられるJSC8以上の症例を除外するとその有意差は無くなった. 染色体異常の有無は精子回収の可否を予測するパラメーターとはならなかった. 3) 妻の年齢, 精子運動性の有無, 精巣容量は受精の可否を予測するパラメーターとなった. 染色体異常は受精の可否を予測するパラメーターとはならなかった.<br>(結論) 非閉塞性無精子症で精子の回収を予測する絶対的なパラメーターはなかった. 非閉塞性無精子症のすべての症例がTESE-ICSIの適応となり, またTESE-ICSIなしでは絶対不妊の診断は下せないものと思われた.
収録刊行物
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- 日本泌尿器科学会雑誌
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日本泌尿器科学会雑誌 91 (7-8), 589-594, 2000
一般社団法人 日本泌尿器科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680034207360
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- NII論文ID
- 110003060617
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- NII書誌ID
- AN00196577
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- ISSN
- 18847110
- 00215287
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- PubMed
- 10965744
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可