近位型尿道下裂に対する Yoke 法の検討

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タイトル別名
  • YOKE TECHNIQUE FOR SEVERE PROXIMAL HYPOSPADIAS
  • キン イガタ ニョウドウ カレツ ニ タイスル Yokeホウ ノ ケントウ

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説明

(目的) 尿道下裂の修復術は以前より様々な術式が報告され, 近年は一期的手術が主流をなしてきたが, 高度な近位型尿道下裂に対する一期的修復術は依然として困難である. 近年, われわれはこのような高度尿道下裂に対し Yoke 法を採用しており, その手術手技, ならびに特徴を明らかにし, 他の一期的手術法との成績を比較検討した.<br>(対象と方法) 当科において1992年7月から2004年12月までに筆者自身が執刀し, 高度な線維性の索を伴う近位型尿道下裂40例を対象とした. 初期の11例は Transverse Prepuital Island Flap (TPIF) 法を行い, 次の10例は One-stage Urethroplasty with Parameatal Foreskin flap (OUPF) IV法を, 最近の19例は Yoke 法にて修復術を行った. そのうち2例は手術を行いながら陰茎の屈曲と外尿道口後退が生じた成人症例の再建術であった.<br>(結果) 当初のTPIF法では11例中6例が修復術に成功 (54.5%) したのみで, OUPF IV法でも成功率はほんの60% (10例中6例) にしかすぎなかった. それに対し最近行った Yoke 法では19例中17例は成功し, 近位側の尿道皮膚瘻と尿道狭窄をそれぞれ1例認めたのみで, 高度尿道下裂に対しても満足のいく結果であった.<br>(結論) 現在筆者は, 高度な線維性の索を伴う近位型尿道下裂に対し最も信頼おける手術法として Yoke 法を愛用している. 本術式は尿道板から遠位部尿道フラップの連続性も保たれ, フラップの血流も他の手術法と比較し良好なことから, 高度な近位型下裂の修復術にきわめて適した術式の一つであると考える. また, 以前の手術で屈曲が残存し, 外尿道口を延長する必要のあるトラブル症例に対しても十分応用できる術式であった.

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