膀胱全摘術後9年目に残存尿道および鼡径リンパ節へ再発した膀胱癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • RECURRENCE OF BLADDER CANCER IN REMNANT URETHRA AND INGUINAL LYMPH NODE METASTASIS NINE YEARS AFTER TOTAL CYSTECTOMY: A CASE REPORT
  • 症例報告 膀胱全摘術後9年目に残存尿道および鼡径リンパ節へ再発した膀胱癌の1例
  • ショウレイ ホウコク ボウコウ ゼンテキジュツゴ 9ネンメ ニ ザンソン ニョウドウ オヨビ ソケイ リンパセツ エ サイハツ シタ ボウコウガン ノ 1レイ

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抄録

68歳男性.1994年肉眼的血尿にて近医を受診し膀胱腫瘍を指摘され,加療目的に当院を受診した.TUR-BTにてUC,G2>G3,pT1と診断しBCG膀胱内注入療法を施行したが,1996年に再発しその際前立腺浸潤(cT4a N0 M0)を認めた.1997年,膀胱全摘,舟状窩を除く尿道摘除術,骨盤内リンパ節郭清,Indiana pouch造設術を施行した.2006年,左鼡径・傍大動脈リンパ節腫大,左下肢のリンパ浮腫を認めた.鼡径リンパ節は摘除し,UCの転移と診断された.その後MVAC療法を3コース施行した.2007年に右鼡径リンパ節転移を認め,これを摘除したが,2008年にも再度左鼡径リンパ節転移を認めた.同時期に亀頭部の発赤を認め,生検したところ,UCの病理像であった.Gemcitabine,Paclitaxelによる全身化学療法を4コース施行した.その後も鼡径リンパ節腫脹,リンパ浮腫を伴う左下肢蜂窩織炎を発症した.尿道再発巣からのリンパ行性転移により鼡径リンパ節腫脹が繰り返し生じている可能性が考えられ,陰茎部分切除術および鼡径リンパ節郭清術を施行した.膀胱全摘,舟状窩までの尿道摘除後に残存尿道へ再発し,鼡径リンパ節転移を呈した症例は稀であり,文献的考察を含め報告する.<br>

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参考文献 (16)*注記

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