前立腺肥大症に対するα<sub>1</sub>遮断薬の効果に関する Pressure-Flow Study を用いた検討

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  • URODYNAMIC EVALUATION OF ALPHA-1 BLOCKER TAMSULOSIN ON BENIGN PROSTATIC HYPERPLASIA USING PRESSURE-FLOW STUDY

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(背景と目的) 前立肥大症に対するα1遮断薬の効果をI-PSSおよび pressure-flow study を用いて詳細に検討した.<br>(対象と方法) 未治療前立腺肥大症患者18人を対象に, α1遮断薬として塩酸タムスロシン0.2mg/日を4週間投与し, その前後でI-PSSを用いた自覚症状と pressure-flow study を含めた他覚所見の変化を観察した.<br>(結果) I-PSSの合計スコアは投薬後, 有意に軽減したが, 最大尿流率・平均尿流率・残尿量には有意な改善はみられなかった. 一方, 排尿時の膀胱内圧は排尿開始時・最大尿流時・排尿終了時のいずれにおいても有意に減少した. 治療前後で排尿量・尿流率が変化しなかった代表的な1例について膀胱から排出されたエネルギーを公式W=∫(PQ)dtより求めたところ, 排尿筋の仕事, 膀胱の仕事 (排尿筋収縮と腹圧による仕事の合計) とも, 治療後著明に減少していた.<br>(結論) 今回の結果から, α1遮断薬は尿流の改善がみられない症例においても, 排尿筋収縮や腹圧を含めたトータルな排尿エネルギーを減少させ, 結果的に排尿筋の過剰負担や症状の改善をもたらすと考えられた. また, 前立腺肥大症において pressure-flow study を含めた尿流動態検査を行うことは下部尿路閉塞の診断のみならず排尿筋の劣化や排尿筋の過剰負担を評価するうえで有意義であると考えられた.

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