T2前立腺癌に対する術前内分泌療法と神経温存前立腺全摘除術

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  • NEOADJUVANT ENDOCRINE THERAPY PRIOR TO NERVE-SPARING RADICAL PROSTATECTOMY IN PATIENTS WITH STAGE T2 PROSTATIC CANCER

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抄録

根治的前立腺全摘除術は, T2前立腺にとって有効な治療法であるが staging error の報告が多い. 生活の質を低下させず, 治療成績の改善をめざすためにT2前立腺癌にLH-RH agonist を先行し, 根治的神経温存前立腺全摘除術を行い, pT2症例にLH-RH agonist の投与を中止し性機能の回復をはかることを試みた. 10例の平均年齢は, 64.6歳 (57~71歳) であつた. 臨床病期はT2a 3例, T2b 7例であった. 術前内分泌療法の平均期間は, 3.6ヵ月 (2~5ヵ月), PSAは平均8.6ng/ml (3.1~17.5ng/ml) が手術前に平均1.1ng/ml (0.6~3.3ng/ml) に減少した. 内分泌療法による前立腺体積の減少は, 平均25.3% (7.4~56.7%) であった. 病理組織学的効果は, Grade (G) 0aが3例, G0bが4例, G1が2例, G2が1例であり, 10例中7例70%に組織学的効果をみた. 10例中4例がpT2であり, 6例がpT3であった. pT2に対してはその後の治療をせず, pT3には内分泌療法を継続した.<br>アンケート調査では, 10例の術前の性機能は良好な状態であった. 術後LH-RH agonist を中止したpT24例中2例は, 3ヵ月から4ヵ月後で性交可能となり, 1例は3ヵ月後に勃起可能となった. pT3症例のうち1例術後7ヵ月に局所再発を認めたが, 他の9例は再発なく生存中である.

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