二分脊椎患者の尿路結石

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  • UROLITHIASIS IN THOSE PATIENTS WITH MYELODYSPLASIA

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抄録

(目的) 二分脊椎症患者における尿路結石の発生頻度と治療法を検討すること.<br>(患者と方法) 過去27年間に303名の二分脊椎症患者を治療し, その内50名には膀胱拡大術を実施した. カルテと患者ファイルを参照して, 尿路結石の発生頻度と治療法を検討した.<br>(結果) 尿路結石は15名に20回発生し, 18回は膀胱結石であり, 2回は腎結石であった. 10名は膀胱拡大術を受けた後に発生した. 結石患者の男女比は11:4で平均年齢は22歳であり, 全症例における尿路結石の発生頻度は5% (15/303) であった. 膀胱拡大術を受けた患者での発生頻度は20% (10/50), 拡大術を受けていない患者群では2% (5/253) であり, この両群間の差異は統計的に有意であった (p<0.01). 20回の内11回は内視鏡的に砕石し, 4回は膀胱切石術を採用し, 小さな膀胱結石は3回にわたりは自然排泄された. 腎結石の2例中1例はESWLで破砕し, 他の1名は経過観察中である. 結石成分はリン酸マグネシウムアンモニウム結石, またはこれを主成分とするものが10回と最多であった.<br>(結論) 膀胱拡大術を受けた患者群の結石発生頻度は, 非膀胱拡大術群の10倍と高率であった. 前群の患者では清潔間欠導尿を確実に実施せず, または膀胱洗浄を疎かにした結果, 尿路結石の発生した事例が多かった. 膀胱拡大術を受けた患者が尿路結石を防止するためには適切な清潔間欠導尿と定期的な膀胱洗浄が必要である.

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参考文献 (16)*注記

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