ゲノムウイルス学:内在性RNAウイルスの発見とその進化的意義の解析

  • 朝長 啓造
    Department of Viral Oncology, Institute for Virus Research, Kyoto University

書誌事項

タイトル別名
  • Genome Virology:The novel interaction of RNA viruses and host genomes
  • ゲノムウイルスガク : ナイザイセイ RNA ウイルス ノ ハッケン ト ソノ シンカテキ イギ ノ カイセキ

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説明

ハワード・テミンが提唱したDNAプロウイルス仮説に始まるゲノムウイルス学は,生物ゲノムの多様性と進化におけるレトロウイルスの役割について多くの知見を明らかにしてきた.一方,私たちはヒトをはじめとする多くの哺乳動物のゲノムに,逆転写酵素を持たないマイナス鎖RNAウイルスであるボルナウイルスの遺伝子断片が内在化していることを発見した.その後,さまざまな非レトロウイルス型ウイルスの内在化が報告され,生物のゲノムにはこれまでに考えられていた以上にウイルス由来の配列が存在することが明らかとなった.本稿は,2011 IUMS国際ウイルス会議・第59回日本ウイルス学会学術総会で講演した内容をもとに,内在性ボルナウイルス因子の発見と動物ゲノムにおける内在性ウイルス因子の存在意義について,最近の知見を交えながら考察を行うものである.

収録刊行物

  • ウイルス

    ウイルス 62 (1), 47-56, 2012

    日本ウイルス学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (67)*注記

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