書誌事項
- タイトル別名
-
- Mycoviruses and Virocontrol
- マイコウイルス ト ヴァイロコントロール
この論文をさがす
抄録
マイコウイルス(菌類ウイルス)は菌類の主要な分類群から広く報告されている.特に近年のウイルス探索の結果,新しいマイコウイルスが次々と報告され,新規のウイルスゲノム構造,遺伝子発現様式,粒子構造の発見を齎した.また,同時にウイルスの多様性,進化の理解へと繋がった.マイコウイルスの多くは2本鎖RNAをゲノムにもつ球形ウイルスであるが,粒子化されない1本鎖RNAウイルスも多く見つかっている.自然界では,マイコウイルスは宿主菌の細胞分裂,細胞融合,胞子形成により水平・垂直伝搬するが,細胞外からの伝搬・侵入経路は知られていない.マイコウイルスの多くは無病徴感染をするが,一部のウイルスは宿主菌に病徴を惹起し,巨視的表現型の変化を齎す.マイコウイルスが植物病原菌の病原力を低下させる場合は,ウイルスを利用した生物防除(ヴァイロコントロールと提唱)が試みられている.ヨーロッパではクリ胴枯病菌のヴァイロコントロールの成功例があり,一方,日本でも果樹の白紋羽病菌を標的としたヴァイロコントロールが試みられている.本稿では,マイコウイルスの一般的性状を概説し,ヴァイロコントロール,さらにはそれに関係するウイルスについて紹介する.
収録刊行物
-
- ウイルス
-
ウイルス 60 (2), 163-176, 2010
日本ウイルス学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680054916224
-
- NII論文ID
- 10027644153
-
- NII書誌ID
- AN00018808
-
- COI
- 1:CAS:528:DC%2BC3MXjslCltrw%3D
-
- ISSN
- 18843433
- 00426857
-
- NDL書誌ID
- 10955738
-
- PubMed
- 21488330
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
- KAKEN
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可