採水方法が地下水の六フッ化硫黄濃度・地下水年代推定に及ぼす影響

  • 土原 健雄
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究部門
  • 奥山 武彦
    山形大学農学部
  • 石田 聡
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究部門
  • 白旗 克志
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of different sampling methods on concentrations of sulphur hexafluoride (SF<sub>6</sub>) in groundwater and age dating
  • サイスイ ホウホウ ガ チカスイ ノ ロクフッカ イオウ ノウド ・ チカスイ ネンダイ スイテイ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

<p>大気中のSF6濃度は20世紀半ばより上昇し続けており,SF6を地下水の年代推定に用いる場合,高い濃度を有する現在の大気の地下水試料への溶解を避ける必要がある。本研究では,異なる採水方法によって採取した同一地点の地下水のSF6濃度の比較から,採水方法が年代推定結果に及ぼす影響に焦点を当てている。6種類の採水方法による年代推定結果のバラつきは最大1.7年であったが,試料水が大気と接触する方法ほど試料水のSF6濃度が高いわけではなく,採水用具からのSF6の溶出の影響も確認できなかった。また気相から液相への溶解過程の計算から,井戸用採水器を用いた採水方法を用いても,理論上の濃度上昇は1%(滞留時間0.2年に相当)に満たないと推定された。年代推定結果のバラつきは揚水される地下水の不均質性によるものと推測され,採水方法による大気から試料水へのSF6の溶解の影響は小さいといえる。</p>

収録刊行物

  • 地下水学会誌

    地下水学会誌 60 (1), 41-52, 2018

    公益社団法人 日本地下水学会

参考文献 (12)*注記

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