絶滅危惧植物ミズキンバイの国内における遺伝的多様性

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タイトル別名
  • Genetic Variability of the Vulnerable Plant Species Ludwigia peploides ssp. stipulacea in Japan
  • ゼツメツ キグ ショクブツ ミズキンバイ ノ コクナイ ニ オケル イデンテキ タヨウセイ

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説明

絶滅危惧植物ミズキンバイ(Ludwigia peploides ssp. stipulacea)を対象に,国内での遺伝的多様性の把握を試みた。千葉・神奈川・高知・宮崎の4県11地点の試料を用い,RAPD法にてDNA断片増幅の差異をみた。18種類のプライマーで試みた結果,10種類でDNA断片増幅が認められた。近縁種ケミズキンバイ(L. adscendens)は5種類のプライマーでミズキンバイにはみられるメジャーバンドが欠失し,これらは両種を区分するDNAマーカーと考えられた。国内の産地間では1種類のプライマーでメジャーバンドに多型が認められ,特に宮崎県南部及び室戸岬産のグループは他地区と異なるDNA増幅パターンであった。しかし,他の多くのプライマーではDNA多型が見られず,全体としては国内のミズキンバイ集団の遺伝的多様性は低いことが示された。これは本種を史前帰化種とする前川(1943)を支持する結果であり,稲作伝播以降の個体群分散について一考察を加えた。

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参考文献 (17)*注記

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