スチレンおよびスチレンオキシドによるδ-アミノレブリン酸脱水素酵素の阻害

DOI Web Site PubMed オープンアクセス
  • 森 晃爾
    産業医科大学産業生態科学研究所環境中毒学教室
  • 藤代 一也
    産業医科大学産業生態科学研究所環境中毒学教室
  • 井上 尚英
    産業医科大学産業生態科学研究所環境中毒学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Inhibition of δ-Aminolevulinic Acid Dehydratase by Styrene and Styrene Oxide

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説明

スチレンおよびスチレンオキシドのδ-アミノレプリン酸脱水素酵素(ALAD)に対する影響について, ラットを用いて, in vivoおよびin vitro実験を行った. In vivo実験では, スチレンとスチレンオキシドにより赤血球のALADの阻害を認めた. この阻害はスチレンオキシドでは量一反応関係を認めたが, スチレンでは認められなかった. しかし肝のALADに対して, スチレンおよびスチレンオキシドとも阻害をきたさなかった. 一方in vitro実験では, スチレンオキシドにより赤血球と肝両方のALADの阻害がみられたが, スチレンでは認められなかった. 以上より, スチレンによるALADの阻害はスチレンオキシドを介するものと思われ, スチレンの毒性発現にスチレンオキシドが重要な役割を果たしていることが示唆された.

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 10 (3), 269-275, 1988

    学校法人 産業医科大学

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