肝細胞癌を有する血液透析患者に発生した腟原発非ホジキンリンパ腫

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タイトル別名
  • Non-Hodgkin's Lymphoma of the Vaginal Wall in a Hemodialysis Patient with Hepatocellular Carcinoma

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抄録

C型肝炎による肝硬変を有する66歳の女性は, 2003年末期腎不全にて血液透析を導入された. 2007年肝細胞癌が発見され, 開腹でラジオ波焼灼療法, エタノール注入療法を受けた. 2009年1月婦人科検診にて腟腫瘍が偶然発見され, びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(stage IE)と診断された. 化学療法による腫瘍縮小効果が顕著で, 初回治療中に腟壁から腫瘍の脱出を認めたため切除した. 2クール目の化学療法と放射線療法をもって治療を終了した. 経過観察中の画像診断にて, 腟腫瘍は同定出来ない状態を維持している. 末期腎不全患者では, いくつかの癌の発生リスクが高いと報告されているが, 肝細胞癌に続く悪性リンパ腫の発生は稀である. また, 女性生殖器原発の悪性リンパ腫は非常に稀である.

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 33 (2), 139-146, 2011

    学校法人 産業医科大学

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