低酸素による自律神経・循環反応の解析:反跳現象と種差について

DOI Web Site Web Site PubMed オープンアクセス
  • 平川 晴久
    産業医科大学産業生態科学研究所 応用生理学教室
  • 林田 嘉朗
    産業医科大学産業生態科学研究所 応用生理学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Responses of Autonomic Cardiovascular Systems Induced by Hypoxia: Rebound Phenomenon and Species Difference

この論文をさがす

説明

低酸素によって引き起こされる自律神経系と循環系の反応、および暴露直後にみられる心拍の反跳現象について解析を行った. <br>血圧測定用カテーテル, 心電図そして腎交感神経活動記録用電極を慢性に植え込んだWistar ratを用い, hypocapnic (Hypo), isocapnic (Iso), hypercapnic (Hyper) hypoxiaの暴露を行った. Isoでは, 血圧及び心拍数は変化しなかったが, Hypoでは, 血圧は低下し心拍数は増加, Hyperでは, 血圧は上昇し心拍数は低下した. 腎交感神経活動はいずれにおいても増加した. IsoとHyperの終了直後, 心拍数は一過性に増加した. この心拍反応は, 腎交感神経活動の反応とは相関しなかった. このことより, この心拍の反跳現象は, 交感神経よりもむしろ副交感神経系のメカニズムによるものと考えられた. <br>低酸素時の循環反応は動物により異なると考えられているが, 類似した条件において行われた実験においては種差に関わらず, その結果は, ほぼ一致するものであった.

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 24 (2), 117-129, 2002

    学校法人 産業医科大学

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ