生分解性樹脂被覆金網の木本植物根元への食込み防止効果

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タイトル別名
  • Effectiveness of biodegradable resin-coated wire net in preventing encroachment into woody plant roots and bases
  • セイブンカイセイ ジュシ ヒフク カナアミ ノ モクホン ショクブツ コンゲン エ ノ クイコミ ボウシ コウカ

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説明

厚層基材吹付工の緑化基礎工として網目50 mm の亜鉛メッキ菱形金網 (菱形金網という) と生分解性樹脂被覆金網 (BRC 金網という) を適用し,自生種木本群落を形成した盛土法面の掘取調査を施工7 年2 ヵ月後に行なった。その結果,1)導入木本種の個体の生長には統計的な有意差は認められないが,菱形金網を適用した場合の平均樹高はBRC 金網50 mm 網目の93.5%,75 mm 網目の89.4% とやや低かった。2)菱形金網を適用した場合の木本植物の現存量は,基底面積がBRC 金網50 mm 網目の71.4%,75 mm 網目の65.0%,D2H (D:根元直径,H:樹高) はそれぞれ64.6%,55.6% と明らかに低かった。3)金網食込率は,菱形金網が68.8%,BRC 金網50 mm 網目が15.1%,75 mm 網目が15.9% だった。4)根元直径50 mm 以上に生長した個体の金網食込率は,菱形金網が100%,BRC 金網50 mm 網目が35.0%,75 mm 網目が36.8% で,金網の網目寸法に左右されなかった。5)菱形金網はまったく腐食しなかったが,BRC 金網はほとんどの箇所で腐食して破断あるいは消滅した。6)初期強度921.2 N のBRC 金網の破断荷重は,腐食が速い場合には4 年程度で強度はなくなり,腐食が遅い場合には7 年後に18% 程度の強度が残る場合があるが,大半は原形を留めない状態まで腐食が進行した。これに対し,菱形金網は初期強度1,195.6 N を維持していた。以上の結果から,木本植物根元への金網の食込みは,地上部の生長を抑制するマイナス要因として働いていると考えられ,BRC 金網は,導入木本種の生長に伴う金網の食込みを防止,抑制する効果を発揮することが実証された。

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参考文献 (17)*注記

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