書誌事項
- タイトル別名
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- Factors Influencing the Determination of Colloid Osmotic Pressure of Plasma
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説明
血漿の膠質浸透圧 (COP) を測定する際の試料の温度およびpHの影響について, また血漿総タンパク濃度から, 推定式を用いてCOPを算出する際の誤差と試料のA/Gとの関係についても検討した. 半透膜を用いてCOP計を試作し, 種々の栄養学的な条件にて飼育された白ネズミ血漿を用いて測定を行った. 温度, pHの変化とCOPの間には, 有意の正相関関係が認められ, 正しいCOP値を得るには, 補正の必要性が示された. 推定式を用いて, 血漿総タンパク濃度よりCOPを推定することは可能であるが, 実測値と推定値の間にかなりの誤差を生じた. 我々は測定値からA/G一定の推定式を誘導し, 種々のA/Gをもつ試料の実測値と推定値を比較した. その結果, 推定式を導くに用いた試料のA/G (推定式A/G) と測定すべき試料のA/Gの差がCOP推定誤差要因である事が明らかとなった. しかし, 推定式A/Gと等しいA/Gを有する試料においてもなお推定値に約10%の誤差が認められた. 従って正しいCOPはCOP計を用いて測定し, この値を温度 (37℃) で補正することによって得られることを証明した.
収録刊行物
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- Journal of UOEH
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Journal of UOEH 5 (4), 405-412, 1983
学校法人 産業医科大学