<岡田孝先生・西岡孝明先生の退職記念号:化学データサイエンス>ESI-MS/MSマススペクトルの化学的注釈

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タイトル別名
  • [Dedicated to Prof. T. Okada and Prof. T. Nishioka: data science in chemistry]Chemical Annotation of ESI-MS/MS Spectral Data

抄録

質量分析データベースMassBankには、多様な化学構造を有する有機化合物を高分解能エレクトロスプレータンデム質量分析(ESI-MS/MS)によってえられたマススペクトルが多数収集されている。このマススペクトルは、分子イオンを衝突解離することによって生成したフラグメントイオンを観察したものである。本研究では、フラグメントイオンの分子式の推定、衝突解離によって解離した分子イオンの共有結合の推定、フラグメントイオンが生成した解離経路の推定をおこなって、互いに矛盾のない信頼性の高い化学的注釈をおこなった。分子イオンがフラグメントイオンへ解離する経路の数え上げについても紹介する。これらの注釈をもとにして「フラグメントイオンと部分化学構造との関係」を獲得してMediaWikiシステムを利用したデータベースを構築し、公開している。また、この関係の部分化学構造特異性について考察する。さらにこの関係を利用して、未知化合物のマススペクトルからその化学構造に含まれる部分化学構造を推定するMetabolite predictionサービスをMassBankで提供した。

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参考文献 (3)*注記

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