金属塩触媒によるエチルベンゼンの自動酸化に関する反応速度論

書誌事項

タイトル別名
  • Kinetics of the Metal-Salt-Catalyzed Autoxidation of Ethylbenzene
  • キンゾクエン ショクバイ ニ ヨル エチルベンゼン ノ ジドウ サンカ ニ カンスル ハンノウ ソクドロン

この論文をさがす

説明

コバルト,マンガン,銅およびニッケル塩を触媒とするエチルベンゼンおよびその脂肪酸溶液の自動酸化反応を80℃,触媒濃鹿10-4~5×10-1mol/lの範囲で行ない,反応速度式を検討した。エチルベンゼンの自動酸化において最も活性の強い触媒は銅であり,コバルトとマンガンはやや低く,ニッケルは遙かに低い活性を示した。反応速度はコバルト,マンガン,銅については濃度10-2~10-1mol/lで最大値を示し,限界反応速度の理論値の50~90%の値を示した。しかし,コバルト触媒の場合に反応生成物であるメチルフェニルカルビノールとアセトフェノンの比率からヒドロペルオキシドのラジカル分解の割合を求め,限界反応速度を修正したところ実測値と全く一致した。酢酸溶液中の酸化ではコバルトのみが活性が強く,触媒濃度10-1mol/lで最大反応速度に達した。誘電率の低い脂肪酸溶液ほど限界速度は低下したが,限界反応速度の理論値は実測値とほぼ一致した。臭化コバルトによるエチルベンゼン酢酸溶液の自動酸化速度は,コバルト濃度について2~1次であり,濃度が高くなるほど次数が減少した。コバルト濃度5×10-2mol/lでは反応速度はエチルベンゼン濃度について1次であり,導出した反応速度理論式と良く一致した。臭化物触媒については強い相乗効果があり,コバルト触媒の20%をマンガンで置換した時に反応速度は4倍になった。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 69 (5), 897-901, 1966

    The Chemical Society of Japan

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ