焼成条件の異なる生石灰の化学反応性

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Burning Conditions on the Chemical Reactivity of Quicklime Produced from Limeston

抄録

石灰石からつくられた生石灰のカサ(嵩)密度は,主として石灰石の焼成条件と組織できめられる。この報文では,生石灰の化学反応性が焼成強度の効果に関係して調べられた。選んだ反応体は気相,液相,固相の反応体として水蒸気,水,炭であった。<BR>水蒸気と生石灰の反応では,重量増加が熱天秤で調べられた。水との反応性の尺度としては,水中に生石灰を加えて5分後の水温上昇が測定された。水蒸気,水と生石灰の化学反応性は,生石灰のカサ密度と密接な関係がある。2.0g/m3またはそれ以下のカサ密度の生石灰はそれよりも高いカサ密度のものより反応速度が大きかった。水蒸気との反応性の減少は,焼成温度に敏感であって水の場合と比較しておよそ50℃低い温度で起った。<BR>カルシウムと一酸化炭素は真空中1400℃以下で,炭素と生石灰の反応でできるので,熱天秤をつくって1310℃と1410℃の間で試料の重量速度が調べられた。活性化熱は900°,1100°,1300℃で焼成した生石灰では81.7,135.5,146.6kcal/molであった。<BR>一般的にいえば,生石灰の反応性は1000℃から1100℃の焼成温度で急に減少する。X線回折,格子定数変化,表面積から, これらの反応性の相違は生石灰の構造欠陥にもとづくことが示された。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 64 (10), 1751-1759, 1961

    The Chemical Society of Japan

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