現代語の形容詞語幹型感動文の構造

書誌事項

タイトル別名
  • Adjective Stem-Type Sentences in Modern Japanese:The Distinction between Phrasal Nominal Structures and Small Clause Structures
  • 現代語の形容詞語幹型感動文の構造 : 「句的体言」の構造と「小節」の構造との対立を中心として
  • ゲンダイゴ ノ ケイヨウシ ゴカンガタ カンドウブン ノ コウゾウ : 「 クテキ タイゲン 」 ノ コウゾウ ト 「 ショウセツ 」 ノ コウゾウ ト ノ タイリツ オ チュウシン ト シテ
  • ――「句的体言」の構造と「小節」の構造との対立を中心として――

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抄録

この論文は,「熱っ!」のように,形容詞語幹が声門閉鎖を伴って発話され,感動の意味が表現上実現する文(形容詞語幹型感動文と呼ぶ)を扱い,「感動の対象」を表す「主語」をとるかとらないかに着目して考察する。その結果として,形容詞語幹型感動文について,①即応性と対他性による分析から,構造上の「主語」をとらないと考えられること,②「これうまっ!」における「これ」のような形式は,話し手が聞き手に注意喚起を呼び掛けるための「感動の対象」の提示部であること,③形容詞語幹型感動文を構成する形容詞の性質の違い(属性形容詞か感情形容詞か)の観点から,属性形容詞によるものと感情形容詞によるものの二種に大別できること,④属性形容詞によるものも感情形容詞によるものも体言化形式を持ち,名詞句として感動の表出に用いられることで同じ感動文として機能すること,という四点を述べる*。

収録刊行物

  • 言語研究

    言語研究 148 (0), 123-141, 2015

    日本言語学会

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