芳香族炭化水素- ナトリウム錯体によるブタジエンの二量重合

書誌事項

タイトル別名
  • Dimerization of Butadiene with Aromatic Hydrocarbon-Sodium Complexes

抄録

テトラヒドロフランを溶媒とし, 少量のo - ジフェニルベンゼンまたはアントラセンの存在下にナトリウム分散体を用いて-70~-10℃の所定温度でブタジエンの二量重合を行なった。反応混合物を二酸化炭素で処理して生成物の組成を詳細に検索した結果,平均重合度はいずれの場合もほとんど2に等しいが,転化率,組成は重合温度によって著しく支配され,-70℃ ではカルボン酸への転化率は95%,C10二塩基酸生成量はその約85%であるが,重合温度の上昇に伴い急激に減少し,対応して低重合度のポリブタジエンおよびC9を主とする一塩基酸の生成が増大し,またブタジエンの1,2-,1,4-トランス,1,4-シス結合様式も重合温度に依存することが明らかとなった。これらの結果からそれぞれの生成機構を考察し,さらにリビングポリマー生成の初期過程の機構を論じた。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 66 (8), 1080-1085, 1963

    The Chemical Society of Japan

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