ハロエーテル類とスズとの直接反応による有機スズ化合物の合成

書誌事項

タイトル別名
  • The Syntheses of Organotin Compounds by the Direct Reaction between Haloethers and Tin Foil
  • ハロエーテルルイ ト スズ ト ノ チョクセツ ハンノウ ニ ヨル ユウキ スズ カゴウブツ ノ ゴウセイ

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抄録

種々のハロエーテル類を原料とし,これとスズとを直接反応させ,エーテル酸素をもつ有機スズ化合物XaSn(CnH2nOR)4-aの合成を試みた。γ-およびδ-ハロエーテル類とスズとの反応では,ハロゲンがヨウ素の場合はスズ反応率80%以上を示し,X2Sn(CnH2nOR)2(A)(R=芳香族基;n=3,4)型のスズ化合物が単離できた。<BR>化合物(A)はジハロゲン化ジアルキルスズの場合と同様に熱アルカリ溶液で処理してもSn-C結合は切断をされず,スズ原子に結合しているハロゲンのみが加水分解され,水に不溶性のオキシドが得られた。また化合物(A)と8-オキシキノリンとを反応させると,8-オキシキノリンの窒素原子がスズ原子に配位していると思われる安定なキノリネート〓Sn(CnH2nOR)2を単離できた。<BR>化合物(A)のこれらの性質は官能基をもたないジハロゲン化ジアルキルスズX2SnR'2(R'=アルキル基)に近いがIRスペクトルの観察によれば化合物(A)のエーテル酸素の特性吸収は,その原料ハロエーテルよりもいくらかシフトしており,スズとエーテル酸素との間に若干の相互作用が存在していると思われる。。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 71 (5), 710-715, 1968

    The Chemical Society of Japan

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