α-クミルヒドロペルオキシドの硫酸接触分解における過酸化水素の作用

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タイトル別名
  • The Effect of Hydrogen Peroxide in the Acid-catalyzed Decomposition of α-Cumyl Hydroperoxide

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説明

α-クミルペルオキシド(CHPと略記)を酸接触分解してフェノールとアセトンとを製造する際に,クメンの空気酸化による副生物でみるα-クミルアルコールおよびα-メチルスチレンが混在していて,フェノールの収率低下の原因となる。本報では硫酸を接触剤としてα-クミルアルコールおよびα-メチルスチレンの過酸化水素によるフェノールへの酸化反応についてまず検討し,ついで実際の酸化油(CHP)の分解にあたって過酸化水素を添加し,フェノールの収率の変化を調べた。その結果CHPに対して10~20%の過酸化水素の添加は未添加の場合にくらべて20%程度のフェノールの収率向上をきたした。なおこの収率はCHPに対して110%にあたり,酸化副生物をもフェノールに転化させていることが明らかとなった。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 63 (8), 1400-1403, 1960

    The Chemical Society of Japan

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