酸化塩素(IV)および亜塩素酸ナトリウムと硫化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムとの反応

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タイトル別名
  • Reactions of Chlorine Dioxide and Sodium Chlorite with Sodium Sulfide and Sodium Sulfite

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説明

工業廃水中の酸化塩素(IV)および亜塩素酸ナトリウムを除去するため,これらと,硫化ナトリウムや亜硫酸ナトリウムなどの還元剤との反応を検討し反応機構を明らかにした。一定濃度の酸化塩素(IV)は亜塩素酸ナトリウム水溶液の直流電解により発生させて,これを還元剤水溶液に導入したときの組成変化を求めた。この結果,硫化ナトリウム,亜硫酸ナトリウムのどちらを用いても酸化塩素(IV)は迅速かつ完全に除去しうることがわかった。反応は次式のとおりである。<BR>5Na2SO3+2ClO2+H2O=5Na2SO4+2HCl2Na2S+2ClO2=Na2SO4+2NaCl+S<BR>また,さきにJacksonらが報じた亜塩素酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウムの反応機構を再検討し同様の結果を得た。すなわちこの場合ヨウ素イオンが弱酸性状態で触媒的に働き,これが反応を促進,完結せしめることを確かめた。反応式は次式にしたがい,ヨウ素イオンがないと反応は極めて遅い。<BR>2Na2SO3+NaClO2=2Na2SO4+NaCl<BR>硫化ナトリウムと亜塩素酸ナトリウムとの反応は酸性領域では速やかに反応し,次式で表わされる反応をする。<BR>Na2S+2NaClO2=Na2SO4+2NaCl<BR>しかしアルカリ性状態での亜塩素酸ナトリウムは反応も遅く未だ不明の点が多い。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 65 (7), 1013-1015, 1962

    The Chemical Society of Japan

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