プロピレンの常圧過酢酸酸化におけるプロピレンオキシド生成反応におよぼす反応因子の影響および過酢酸の分解

書誌事項

タイトル別名
  • Oxidation of Propylene with Peracetic Acid under the Atmospheric Pressure
  • プロピレン ノ ジョウアツ カサクサン サンカ ニ オケル プロピレンオキシド セイセイ ハンノウ ニ オヨボス ハンノウ インシ ノ エイキョウ オヨビ カサクサン ノ ブンカイ

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説明

反応温度20~70℃,常圧でプロピレンの過酢酸酸化反応(酢酸溶媒)につき研究し次の結果を得た。<BR>(1)反応温度50℃ 以下では本反応により高選択率でプロピレンオキシド(PO)が生成するが,反応速度はおそい。反応温度50℃ 以上では温度の上昇とともに多量の炭酸ガス,メタンより成るガス生成を伴う副反応とPOの酢酸によるエステル化が起こり,PO選択率は急激に低下した。このガス生成反応は過酢酸の熱分解と,PO生成反応で生成するCH3COO・ラジカルの分解に基くものと考えられた。<BR>(2)この反応系でのPOのエステル化は過酢酸により影響をうけない。エステル化の反応速度定数は過酢酸の熱分解のそれよりはるかに大ぎく,15℃ で60倍,70℃ で5倍であった。<BR>(3)30℃ において各種重金属イオン,無機酸などの触媒効果を調べた。タングステン酸,モリブデン酸アンモニウムおよび無機酸はエポキシ化速度を増大させる点でやや有効であるが,後二者特に無機酸はエステル化も著しく促進し,PO生成に有効と認められるものはタングステン酸のみであった。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 69 (8), 1454-1458, 1966

    The Chemical Society of Japan

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