セリウム塩で前処理したセルロースへのスチレンのグラフト重合

書誌事項

タイトル別名
  • Graft Copolymerization of Styrene onto Cellulose Pre-treated with Ceric Salt

説明

セリウム塩(硝酸セリウム(IV)アンモニウム)で前処理した生セロハンの存在下に60℃ においてスチレン(St)の重合を行なった。この前処理法はセルロース,Stおよびセリウム塩同時共存法に比べてモノマーの全重合率,グラフト効率およびグラフトポリマー収量のいずれにおいても高い値を与えた。メタノールの添加は反応を著しく促進する。ベンゼンによるポリスチレン(PSt) ホモポリマーおよび銅エチレンジアミン溶液によるグラフト重合に与からなかったセルロースの抽出をくり返し行なって,最後にこれら両溶媒に不溶性のグラフトポリマーを分離した。グラフトポリマーをアセチル化すると,たとえばクロロホルムに可溶性になる。さらに加酢分解して枝PStを分離した。ここに得られたグラフトポリマーは組成上セルロース部約32,PSt部約68各wt%からなっている。また溶液粘度および分子量測定結果から,このグラフトポリマーは比較的短かいセルロース幹分子にきわめて長大なPStが,幹ポリマー1個あたりたかだか1個程度結合したブロックポリマー型のものであろうと推定した。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 66 (10), 1508-1511, 1963

    The Chemical Society of Japan

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