高分解能NMRによるナイロン6-66共重合体および混合物の組成分析

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  • High Resolution NMR Analysis of the Composition of Copolymer and Mixture of 6-Nylon and 66-Nylon

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高分解能NMRによる6-ナイロンと66-ナイロンの共重合体の組成の定量,混合物の定量,6-ナイロンと66-ナイロンの判別について研究した。6-ナイロン,66-ナイロン,6-ナイロンと66-ナイロンの混合物,6-ナイロンと66-ナイロンの共重合体の10%ギ酸溶液のスペクトルは日本電子JNM3H-60型分光計を使用して,20℃と100℃とで,60Mcで測定し,シグナルの帰属はピーク面積比の測定によって行なった。第一に,20℃のスペクトルを測定して,共重合体中の66-ナイロン含有量は(1)8.30τピークと8.30~8.57τの全ピーク面積との面積比を測定すること,(2)8.30τピークと6.67τピークとの面積比を測定することにより定量した。第二に,100℃のスペクトルを測定して,共重合体中の66-ナイロン含有量の定量は(1)8.30τピークと8.51τピークとの高さの比,(2)8.30τピークと7.72τピークとの高さの比,(3)7.72τピークと7.62τピークとの高さの比,(4)8.57τピークと8.30τピークの高さの比の測定によって行なった。これらの方法の誤差は5%以下であった。混合物中の66-ナイロンの定量は共重合体の場合と同様の方法で行なうことができた。6-ナイロンの20℃スペクトルの最も高磁場のメチレンシグナルは8.50τに一本のピークを与えるが,一方,66-ナイロンのこのメチレンシグナルは8.30τと8.57τに二本のピークを与えるので,6-ナイロンと66-ナイロンの区別は最も高磁場におけるこのメチレンシグナルの構造の相違によって決定できる。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 70 (4), 460-465, 1967

    The Chemical Society of Japan

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