分取用ガスクロマトグラフ設計における二,三の問題点

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タイトル別名
  • Some Factors Affecting the Efficiency of Preparative Scale Gas Chromatography

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説明

実験室でガスクロマトグラフを用いて0.5~2g程度の試料を分取し,赤外吸収スペクトル,核磁気共鳴吸収スペクトル等の他機器と併用して定性分析を行なうとか,またはスペクトル測定用の純試料を容易にうる目的で分取用ガスクロマトグラフを試作した。分取用ガスクロマトグラフでは分析用ガスクロマトグラフと異なった設計上の問題点が多いが,ことに,(1)恒温槽が大きくなるため,温度制御が行ないにくい。(2)分離管を太くするため効率が落ちやすい。(3)トラップで試料を捕集する際に霧を生成して試料が逃げやすい等の欠点がみられた。これらの対策として,(1)恒温槽の温度制御を良好に行なうには熱のフィードバックの方法が非常に有効なこと,(2)分離管を太くすると分離管効率が落ちるのは,キャリヤーガスが分離管壁面の側では抵抗が少ないので中央部に比較して速く流れるためで,壁面にも固定相液体を塗ることにより効率低下を防げること,(3)トラップで霧を生じるのはキャリヤーガスを急冷することが主な原因で,この際にキャリヤーガスを徐冷すれば試料を効率よく捕集できることを明らかにした。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 66 (4), 442-446, 1963

    The Chemical Society of Japan

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