吸光光度法によるセメント中のシリカの迅速定量

  • 川垣 恭三
    新潟大学工学部応用化学科
  • 斎藤 正衛
    新潟大学工学部応用化学科 工業技術院資源技術試験所第2部
  • 広川 洸一
    新潟大学工学部応用化学科 日本カーバイド工業株式会社魚津工場

書誌事項

タイトル別名
  • On the Rapid Analysis of Cement. II. Rapid Determination of Silica in Cement by Spectrophotometric Method

抄録

セメント中のシリカはJISによる重量法で定量されるが,長時間を要し迅速法が望まれている。著者らはケイモリブデン酸法による水中のシリカ定量法をセメントに応用した。試料0.2gに炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムを加え,ニッケルルツボで溶融する。冷却後水に溶解し塩酸を加え, 500mlメスフラスコに移し試料溶液とする。これより10mlをとり, モリブデン酸アンモニウムと硫酸を加えて発色させ, 440mμで吸光度を測定する。得られる値はポルトランドセメント, 高炉セメントではJISの値とほぼ一致するが, シリカセメントやフライアッシュセメントのように不溶残分の多いものでは,JISの値よりかなり大きく出る。不溶残分中にはシリカが含まれているので,これを補正すれば一致する。迅速法ではシリカの全量が得られるので,不溶残分の少ないセメントでは好結果が得られ,30分位で結果がわかるので簡便な方法である。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 68 (3), 465-467, 1965

    The Chemical Society of Japan

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