四エチル鉛を1成分とする触媒系による極性ビニル化合物の重合

書誌事項

タイトル別名
  • Polymeriyation of Polar Vinyl Compounds with Use of Binary Mixtures Containing Tetraethyllead.

抄録

四エチル鉛を1成分とし,これに種々の金属塩を組み合せた2元系を用いて,メタクリル酸メチルほか8種の極性ビニル化合物の重合を行なった結果,四エチル鉛単独では重合が進まない室温暗黒下でも十分に高い触媒活性を有する多くの2元系を見出した。<BR>メタクリル酸メチルの重合の場合に,四エチル鉛の共触媒として有効であった化合物は,ほとんど例外なしにその金属元素のイオン半径が1Å以下で,かつ電気陰性度が1.5~2の範囲に含まれるものであった。次にこれらの2元系から10種の系を選び,種々の条件下で各種モノマーの重合を行なった結果,各系の触媒挙動は,おおむね共触媒化合物の金属元素の周期律表上の族にしたがってそれぞれに特徴的であるが,重合機構については,いずれの場合にもイオン重合を支持する根拠は得られず,ラジカル重合である可能性が大きい。なお,二,三の触媒系による低温重合によって得られたポリメタクリル酸メチルは,赤外吸収スペクトルによって,結晶性ポリマーであることが見出された。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 64 (7), 1307-1312, 1961

    The Chemical Society of Japan

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