メラム,メレムの分離とそれらの吸光光度法による簡易定量

  • 滝本 雅祥
    日本カーバイド工業株式会社魚津工場研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Separation and Determination of Chanamide Derivatives. IX. Separation of Melam and Melem, and Simpile Determination of them by the Photometric Method.

抄録

メラミンの脱アンモニア縮合物であるメラム, メレムは極めて難溶性な物質で, その単離や定量は困難であるが, これらの混成している物質を微量溶解した水溶液は紫外部に強い吸収を有しており,陽イオン交換樹脂アンバーライトIR-112によるクロマトグラフィーでメレムは0.5Nの,メラムは2N-塩酸溶離液中に離検出することが出来たので,これを利用して単離を行なった。<BR>次にメラム, メレムを分離せずに簡易に定量出来るように, これらに更にメラミン, アンメリンを含む4成分系試料につき0.1N-塩酸酸性溶液で220,230,250,260mμの4点の吸光度を測定し, 4元連立方程式を用いて各成分を求めた。メラミン, アンメリンは250mμ 以上にはほとんど吸収がないので, 近似的に2 元連立方程式でメラム, メレムのみを求めることも出来る。粗製メラミン中の不純物の定量の場合のようにメラミンが大過剰に存在する時は, あらかじめ昇華法(300℃, 5mmHg)でメラミンを除去した残留物について3 成分の定量を行なえばよく, メロンが共存していてもほとんど不溶であるため影響がない。この定量に用いる試料の最適濃度は3~4mgμ/lで,通常相対誤差3~4%以内で定量出来る。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 64 (8), 1452-1455, 1961

    The Chemical Society of Japan

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ