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- 宮沢 三郎
- 東京工大付属工高校専攻科
書誌事項
- タイトル別名
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- Side Reactions in the Synthesis of Vinyl Acetate
- サクサン ビニル ゴウセイヨウ カクシュ ショクバイ ジョウ ニ オケル フクハンノウ
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説明
既報のとおり, 酢酸ビニルの気相接触合成の際に副生するクロトンアルデヒドは, 酢酸ビニルの重合にあたり, 致命的障害を与えるので, その副生は小量でも忌避される。本報においてはこれに引続いて, 主としてクロトンアルデヒドの成因をなすアセトアルデヒドの副生を中心とした研究結果を報告する。<BR>まず,クロトンアルデヒドの成因は,すでに生成したアセトアルデヒドのクロトン縮合であることが実験の結果証明できた。<BR>つぎに,アセトアルデヒドの成因については,従来反応ガスまたは触媒中に存在する水分による酢酸ビニルの加水分解の説が有力であった。しかし, 本研究の結果, 酢酸ビニルはさらに酢化してエチリデンジアセテートとなり, この分解によリアセトアルデヒドが生成する,いわゆる加酢分解の経路もあることが判明した。<BR>つぎに,アセトンの成因については予想のとおり,酢酸および無水酢酸の脱炭酸分解の結果であり,この両者では無水酢酸の方がはるかに分解が容易であることが確認された。最後に,アセトアルデヒドの単独または酢酸との混合蒸気を,240℃ の触媒上に通じ,クロトンアルデヒドと水の他に,酢酸ビニルが生成することも発見した。<BR>なお,本研究で使用した,ガスクロマトグラフ固定相は前報と異なり,水分のピークを明瞭に分離し得た。
収録刊行物
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- 工業化学雑誌
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工業化学雑誌 68 (12), 2384-2390, 1965
The Chemical Society of Japan
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680110075776
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- NII論文ID
- 130004276712
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- NII書誌ID
- AN00080721
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- ISSN
- 21850860
- 00232734
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- NDL書誌ID
- 8196893
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可