アルキリデンシクロペンタンの自動酸化の動力学的考察

書誌事項

タイトル別名
  • The Autoxidation of Alkylidenecyclopentanes
  • アルキリデンシクロペンタン ノ ジドウ サンカ ノ ドウリキガクテキ コウサツ

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説明

アルキリデンシクロペンタンとして,メチレンシクロペンタン,イソプロピリデンシクロペンタンをえらび,種々の条件で自動酸化の反応速度を測定し,それより自動酸化の機構を動力学的に調べ,すでに行なった不飽和脂環炭化水素の自動酸化について得られた結果と比較し,分子構造の反応性に及ぼす影響を考察した。メチレンシクロペンタン,イソプロピリデンシクロペンタンはα - ブロム酢酸エチルエステルおよびα - ブロムイソ酪酸エチルエステルと, シクロペンタノンをそれぞれ縮合させ,脱水,ケン化,熱分解を経て合成したものを使用し,装置ならびに反応条件はいままでに行なった場合に準じた。酸化は35~70℃ の範囲で酸素分圧を50~750mmHg,試料濃度0.47~1.66mol/l,BPO濃度を試料1mol当り,0~0.06mol, 紫外線強度を32~100%の間で変化させて行なった。得られた反応生成物からこの自動酸化反応では,いずれの試料においても主として2の位置にヒドロペルナキシド(HPO)が生成していることが明らかになった。そして, その生成量は酸化の初期では酸素の吸収量に比例することが認められた。酸化の速度式はBolland,Bate-manらの提出したオレフィンのそれと一致する。このものの反応中心における水素引抜きのエネルギーは,メチレンシクロペンタンは9kcal/molで, イソプロピリデンシクロペンタンは7kcal/molであり, 反応速度はテルピノーレンの場合より低いが,1-メチルシクロペンテンに比べ, イソプロピリデンシクロペンタンは高くなっていることがわかった。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 68 (12), 2407-2413, 1965

    The Chemical Society of Japan

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