モリブデン-アルミナ系触媒によるチオフェンの水素化分解

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タイトル別名
  • Hydrodesulfurization of Thiophene over Molybdena Alumina Catalysts
  • モリブデン-アルミナケイ ショクバイ ニ ヨル チオフェン ノ スイソカ ブンカイ

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説明

予備硫化したモリブデン-アルミナ系触媒を用いてチオフェン水素化分解反応を封鎖循環系で速度論的に研究した。チオフェンの水素化分解によって生じたブテン類は平衡組成にあり, 反応中期以後はほぼ一定圧を保持していた。また, ブタンの生成速度は水素圧に0.9~1.0次, チオフェソ圧に0.6~0.8次であり, 250~400℃の範囲でみかけの活性化エネルギーは約 25kcal/molであった。この反応の速度論的結果は吸着チオフェンと吸着水素との反応によるチオフェンリングの開環反応を律速とし, この開環反応および生成ブテンの水素化反応とが逐次的に進行する反応機構により満足に説明できた。モリブデン含量を大きく変えたモリブデン-アルミナ触媒によるチオフェン水素化分解活性は MoO3 含量 27wt% までは MoO3含量にほぼ比例して増加するが, MoO3含量が27wt%以上の触媒ではほぼ一定活性を示した。コバルト-モリブデン-アルミナ触媒では, MoO3含量7.0, 12.5wt% いずれの場合にもCoO含量1.5~3.5wt% のところで最大活性を示し, MoO3含量よりも CoO 量の方が活性に大きな影響をおよぼした。さらに, ニッケルの添加効果については, Nio含量 3.5~5wt% のところで最大活性を示し, 三元系のコバルト-モリブデン-アルミナ触媒より四元系のニッケル-コバルト-モリブデン-アルミナ触媒の方が高活性であった。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 74 (10), 1966-1970, 1971

    The Chemical Society of Japan

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