三フッ化ホウ素・アルミナ触媒の酸性と活性

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タイトル別名
  • Acidity and Catalytic Activity of BF<SUB>3</SUB>-Al<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB> Catalyst
  • サン フッカ ホウソ アルミナ ショクバイ ノ サンセイ ト カッセイ

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抄録

アルミニウム・イソプロポキシドの加水分解より得たバイヤライトを 300℃ より 1000℃ の種々温度で焼成したアルミナに三フッ化ホウ素 (BF3) を吸着処理して一連の BF3・アルミナ触媒を調製した。示差熱分析, X線回折, BET 表面積および脱水による重量変化等により BF3 吸着前後のアルミナの性状を調べた。またブチルアミン滴定法により全酸量を測定し, さらにクメンのクラッキングおよび o-キシレンの転化反応による触媒活性を比較検討し, BF3・アルミナ触媒の酸性質を研究した。<BR>BF3 の吸着処理によりアルミナは pKa が -5.6 より強い Bronsted 酸型の酸点をかなり有する固体酸触媒となることが明らかとなった。酸強度分布では, 各強度の酸点ともいずれも 400~500℃ のアルミナの処理温度のもので最大を示し, 以後漸減していくが, 800℃ 焼成のものでもかなりの酸量が測定された。触媒活性では 400~500℃ および 800℃ 焼成したアルミナをベースとするものが大きな活性を示すのに対し, 600℃ 焼成したものの活性は小さい。酸量と活性は簡単な比例関係になく, むしろ BF3 吸着前のアルミナの酸量の傾向とほぼ一致し, アルミナの性状が BF3 処理後の活性に大きな影響を与えることが示唆された。<BR>アルミナの性状については, 焼成温度の違いによる表面水酸基を重視し, これが BF3 処理にさいして吸着点となる酸性発現の機構を考え吸着処理による酸性増大の原因を推定した。

収録刊行物

  • 工業化学雑誌

    工業化学雑誌 73 (4), 656-661, 1970

    The Chemical Society of Japan

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