Examination of Zinc Anode after Discharge in Leclanche Dry Cell

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  • ルクランシェ乾電池陰極亜鉛缶の放電変化

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市販ルクランシェ乾電池用の陰極亜鉛缶の放電に伴って起こる溶解, 金属状態の変化, および亜鉛化合物の発生などについて電池の放電特性との関連のもとに調べるため, 同一亜鉛缶を用いかつ放電特性の異なる 20 種の UM-1 型乾電池を実際に構成し, 重放電と軽放電の双方について検討した。得られた結果はつぎのようである。<BR>(1) 一般に重放電よりも軽放電のほうが亜鉛缶の溶解する量が大きい。<BR>(2) 軽放電の場合, 放電容量の大きいものは亜鉛缶溶解率も大きく, 塩基性塩化亜鉛 ZnCl2・4Zn(OH)2 の発生量は少ない。<BR>(3) 圧延加工と衝撃押出し成型を経た亜鉛缶は, 通常の亜鉛とは異なり (002) 面と (103) 面とが著しく発達している。このうち (002) 面は放電に伴って特徴ある挙動を示し, 軽放電寿命が長かったものほど (002) 面の強度も弱くなっている。<BR>(4) 重放電の場合はこのような規則性は認められず, また放電持続時間と亜鉛缶溶解率ともあまり関係がない。<BR>(5) 重放電に特徴的な亜鉛の放電生成物としてはヂアンミン亜鉛塩化物 ZnCl2・2NH3 で, これは特に初電圧の低い電池が重放電を行なった場合に生じる。<BR>(6) 重放電では放電後の亜鉛缶内面に Mn イオンが移動してきていることが認められるが, 軽放電では認められない。<BR>(7) このように重放電と軽放電とでは亜鉛缶の挙動に大きな差が認められる。<BR>(8) 亜鉛缶中の一成分である鉛は, 重・軽放電のいずれの場合も放電に伴って亜鉛とともにほぼ均一に溶解している。

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