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- 尾嶋 平次郎
- 愛知学芸大学化学教室
書誌事項
- タイトル別名
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- Chemiluminescence of Luminol. VIII. Luminescent Phenomenon Caused by Ultrasonic Waves
説明
超音波(500kcycle,陽極入力50W)投射によるルミノールの発光現象を光電池測光し,超音波の発光促進機作について検討した。(1)発光はtopographic効果をあらわし,音波の投射中止と同時に消光し.残光を認めない。(2)発光液中のルミノールの最適濃度は1.3×10-5mol/40mlアルカリのそれは0.3N水酸化ナトリウム(炭酸ナトリウムの場合は1F)で. 過酸化水素使用の場合と異なる。(3)炭酸イオンの存在は発光強度を増大させる。(4) 発光液中にあらかじめ過酸化水素(H2O2/ルミノール=16)またはフェリシアン化カリウム(K3[Fe(CN)6]/ルミノール=1)を存在させたものに超音波を投射すれば発光強度は約3倍に増大(超音波投射前の発光強度を差し引いたもの)する。<BR>これらの結果から,超音波による発光の機構には化学作用が大きく関与しているが,それのみではないことを認めた。すなわち,超音波によって水中に生じたHO,またはHO2,がルミノラートイオンに作用して発光中間体を生じ,それがcavitationによって効果的に励起され,発光すると老える。ただし,中間体の生成は,あらかじめ添加した過酸化水素から生じるHO,またはHO2・に負う(炭酸イオンの存在下において)ところもあることは(4)から考えられる。
収録刊行物
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- 日本化學雜誌
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日本化學雜誌 81 (12), 1785-1790, 1960
The Chemical Society of Japan
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680123361408
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- NII論文ID
- 130003509277
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- COI
- 1:CAS:528:DyaF38XjsFymsA%3D%3D
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- ISSN
- 21850917
- 03695387
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可