チオフェン系化合物に関する研究(第4~8報)(第8報)β-アシルアミノチオフェン類のフリーデル.クラフツ反応によるサクシノイル化について

書誌事項

タイトル別名
  • Thiophene Compounds. IV-VIII. VIII. On the Succinoylation of 16-Acyl-amino-thiophenes by Friedel-Crafts Reaction.

抄録

β-アシルアミノチオフェン類は,1)チオフェン核のα-位がきわめて活性である。2)チオフェン核が五角形であるため相隣る置換基の間隔はベンゼン核の場合にくらべて広い。3)アシルアミノ基はオルト,パラ配向性であるがかなり大きな置換基である。4)チオフェン核にはβ-位に対しパラに相当する位置がない。これらの因子が立体障害の大きいフリーデル・クラフツ反応によるサクシノイル化の際どのように影響しあうかを検討した。その結果,つぎの諸事実を明らかとした。すなわち3,4-ジアセチルアミノチオフェンのように立体障害のきわめて大きい場合には活性なα-位もサクシノイル化されない。アシル基としてホルミル基を選んでもやはり反応は起らない。しかし3-アセチルアミノチオフェン類は2-位が空いているかぎり主としてここに反応する。2-位を置換基で保護しておくと,5-位に反応する。この場合一部にはN-アシル化反応も起り,この傾向はα-位を両方とも保護しておくと助長される。ただし2-位の臭素はサクシノイル基によって置換され易い。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 78 (6), 794-798, 1957

    The Chemical Society of Japan

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