ビニルグアヤコールの合成および重合物の構造

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タイトル別名
  • Synthesis of Vinylguaiacol and Structure of its Polymer

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説明

バニリンのパーキン反応によってアセチルフェルラ酸を合成し,これをケン化して得られるフェルラ酸の脱炭酸反応によってビニルグアヤコールを合成した。バニリンからの収率は約50%である。α,α'-アゾビスイソブチロニトリル,BF3・エーテレート触媒の使用,およびγ線照射などによって得た重合物は無色~淡紅色固体でベンゼン,エーテルに不溶,アセトン,アルコール等に可溶性である。重合物をジメチル硫酸およびジアゾメタンによってメチル化し過マンガン酸カリウム酸化および酸化後のペーパークロマトグラフィーによりベラトラム酸,バニリン酸,イソヘミピン酸を確認し得た。BF3・エーテレート触媒による重合物の場合のみにみられるイソヘミピン酸の生成は重合物の構造中にビニルグアヤコールの二重結合のα炭素がベンゼン核と付加したフェノール・アセトアルデヒド樹脂型の構造の存在を示すものである。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 80 (11), 1337-1340, 1959

    The Chemical Society of Japan

被引用文献 (1)*注記

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