「カタラーゼ」-「高分子電解質」複合系の酵素作用の研究(第1報)

  • 寺山 宏
    東京大學理學部化學教室 厚生省東京衞生試驗所

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the Enzymatic Activities of (Catalase)-(Highmolecularelectolyte) Complexes I

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説明

イ)カタラーゼは負電解性高分子化合物の共存に依り著しく活性を減ずる。殊にpHの酸性側に於て顯著である。<br> ロ)セルローゼ硫酸等の阻害は極めて低濃度に於て發現し, シアンの阻害に匹敵す(10-6S當量/l)。又その阻害曲線は單純なシグモイドでない。<br>ハ)負電解性高分子物による阻害は,不可逆的ではなく,正電解性高分子物の添加により,囘復することもある。<br> ニ)以上の諸實驗結果より,カタラーゼ蛋白と負コロイドイオンの間のコロイドイオン的結合による,カタラーゼの分散をも含めた分子形態の變化がその阻害の主な原因ではないかと推論される。<br> 本研究に於て種々御指導を賜つた左右田徳郎先生に感謝し,尚研究費の一部を服部奉公曾の補助金を以て支辨したことを附記し感謝の意を表す。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 70 (8-9), 320-322, 1949

    The Chemical Society of Japan

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