新潟市内天然ガス付随水の化学的研究(第1~3報)(第1報)

書誌事項

タイトル別名
  • Chemical Studies on the Water followed by the Natural Gas in Niigata City. I-III. I.

抄録

新潟平野の天然ガスの埋蔵量は700億m3と計算されており,この天然ガスは水と共に産出する。この水の性質をしらべることで,ガス暦の性質,ガスの成因,ガスの性質,産量を直接または間接的に知ることができると考えられる。この水のC1-,HCO3_,NO3-,NO3-,NH4+,SO42-およびリン含量について測定したものは多少あるが,全成分について測定したものはほとんどないので,現在純粋に採水できるG5暦(帝石ではP暦という)について調査研究した。その結果ではガス水中の塩化ナトリウムおよび蒸発残留物は共に海水の約1/3で,この1/3程度に薄めらわた海水が地暦中に閉じ込められ,その中に含まれていた有機物がメタン醗酵して生成したガスが含まれているものと考えられる。この隔離された環境では,深度と水温,比重,蒸発残留物,Na+,Cl-との悶には正相関が認められ,Na+とCa2+,K+とMg2+およびNa+,K+,Ca2+,Mg2+と地層中で生成したNH4+との間にはイオン交換が行われていることが認めら才した。さらにガス水比とHCO3-,Ca2+,Mg2+との間にも正相関が認められ,SO42-は3.9mg/lで非常に少なく,ガス水比,HCO3-とほぼ負相関にあることが認められたが,これは還元性の環境においてSO42-は還元されて減少したものと考えられ,したがってNO3-の存在は認めら才しなかった。Sio2はガス水比,HCO3-とほぼ正相関にあるが,PO43-は負の関係にあることが認められた。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 78 (4), 430-434, 1957

    The Chemical Society of Japan

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