タンパク質と高分子電解質イオンの結合

書誌事項

タイトル別名
  • Combination of Proteins with Polyelectrolytes Ions and Conductometric Titration of Polyelectrolytes.

抄録

結晶性タンパク質のPVSK(K-polyvinylsulfate)およびクルペインとの種々のpHにおける結合当量がコ0イド滴定法の技術によって調査され,その結果を従来の酸アルカリ滴定法やアミノ酸組成分析法による値と比較したところ,十分妥当なる関係の成立することが観測された。すなわちpH2付近における負ポリエレクトロライトイオンとの結合量はタンパクのもつ塩基性解離基に由来し,逆にアルカリ性pH11.5付近においてはタンパクのみかけの正ポリエレクトロライト結合量は,その酸性解離基よりアルギニン残基を差引いた値に等しいことが明らかとなった◇従来主として標準正ポリエレクトロライトとして使われていたマクミラン(N-poly-methylchitosan)に代ってクルペイン硫酸塩が便利なことおよび,高分子電解質イオン間の化学量論的結合が電気伝導度測定法よりも証明された。しかし後者は,従来のコロイド滴定法に比し甚しく大量の試料を必要とし操作においても複雑である。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 78 (9), 1261-1266, 1957

    The Chemical Society of Japan

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ