生体内における無機成分の研究(第10~12報) (第10報)人体結石の重金属成分について(その4)

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the Inorganic Constituents in Biological Materials. X. On the Heavy Metals in Human Stones. 4. Lead Content of Gallstone, Urinary and Pancreatic Calculus.

説明

人体結石のうち胆石,尿石および膵石とそれらの関連体液である血液,胆汁および尿中の鉛の含有量を定め,結石の発生過程における濃度の変化,他の成分との関係などにつき検討を行った。鉛含有量は血液(0.29士0.03PPm)と胆汁(O.35土0.13PPm)とでは大差はないが,胆石(71士20PPm)では約200倍の濃度になる。一方,尿石(34士gPPm)は尿(0.068士0.037PPm)の約500倍の濃度を有し,いずれの場合も結石の形成過程で相当の濃縮を受けていることが明らかとなった。膵石中には124ppmの鉛が含まれ,胆石および尿石にくらべ最高の値を示した。鉛の含有量を既報の銅,亜鉛および鉄のそれとくらべると,胆石では最も少なく(血液および胆汁も同様),尿石では亜鉛,鉄につぎ,銅よりは多く(尿では最も少ない),また膵石では亜鉛につぎ多量に存在する。胆石中の鉛は銅,亜鉛および鉄との間に,また尿石中では璽鉛との間に,それぞれ正の相関々係を有する。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 78 (7), 1033-1038, 1957

    The Chemical Society of Japan

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