高分子多価カルボン酸の金属塩の吸収スペクトルとその光照射による変化

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タイトル別名
  • The Absorption Spectra of Some Metal High Molecular Polycarboxylates and the Changes of the Spectra Produced by the Irradiation of Ultraviolet Rays

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説明

若干のアルギン酸の金属塩は210~280mμに電荷移動に関連する吸収を示す。これらの金属塩に2537Åの紫外線を照と射する,はじめの吸収帯が変化することに加えて,これとは別に新しいいくつかの吸収帯が現われる。すなわち銀塩では300と420mμ,鉛(II)塩では280と330mμ付近,水銀(I)塩では245と320mμの吸収がそれである。銀塩の場合の短波長側の卿又は,銀原子の吸光スペクトルとの比較から,高分子中にトラップされた銀原子に起因するものと考えられ銀によるも,長波長側の吸収はコロイドのである。また鉛(II)塩1こおいては,280mμを鉛原子に330mμを1価の鉛イオンに同定することが可能である一方。,鉄(III)塩,水銀(I)虚においては,光照射によってCT吸収は漸次滅少して,光分解によるそれぞれの塩自身の消失することを示している。これらの結果は,アルギン酸の金属塩がカルボン酸イオンから金属イオンへの電荷の移動によって光分解し,高分子中により低原子価の金属イオン,金属原子あるいは金属コロイドを生成することを示している。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 90 (10), 992-996, 1969

    The Chemical Society of Japan

被引用文献 (1)*注記

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